亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~

こうも長い間狭い通路にいると、持続する窮屈感で頭がどうかなりそうだ。

どれくらい進んでいるのか。あとどれくらいで着くのか。歩いている筈だが、ひょっとして進んでいないのではないか。

…そんな錯覚さえも、当の昔に置いてきた。





「……大丈夫…。まだ、歩く」

「………そう…?……何だか…お腹…減ったなぁ…」





そうやってひたすら歩き続けるレトとユノ。お互いを気遣いながらなんとか歩を進めていたが…体力の消耗もある。
この時、空腹など滅多に訴えないレトがポツリとまさかの発言をした。
空腹に慣れている狩人が言うとは、よっぽどのことである。

仲良く手を繋いで隣を歩いていたユノは呆れる反面……同じく、空腹感を覚えていた。
………その辺は鍛えている筈なのだが、何故こうもお腹が空くのだろうか。



「………イーオさんの…お菓子っていうのも食べたのに………何でお腹が空くんだろ………………走ったからかな?」

「僕に聞かれても困るよ。……まぁ、そうなんじゃない?………なんだか身体もまだ冷えてるし…」



原因は分からないが、今はどうでもよしとする二人だったが、それは昨日の、二人が意識の無い間にイブの“闇入り”によって体力共々失っているから…という事実など、知る由も無いが。



「…次、ちょっと休憩する時…ご飯食べようか。少しくらい食べておかないと………僕が作る」

「………作るって…またあの…ワイルドな串刺し?」

…狩人の食事は、実にワイルドだ。
何かしらの小動物をそのまま剣で刺して火元に置いて焼く。以上である。

何が嬉しくて、悲しげな小動物の首を眺めながらかじりつかなければならないのか。
平然と差し出してくるザイには、言葉も出なかった。