―――…小石を壁に当ててみれば、その甲高い音色はまず自分達の鼓膜を叩き、名残惜しむこともなくあっという間に闇の向こうへと反響しながら走って行き、その先の奥深くへと…消えていった。
水に投じた石の様に、それは存在自体が消えてしまった。
大きめの石で試しても、振り翳す刃で試しても、気分を変えてアルバスで試しても。
それは、同じで。
永久に続く闇の道の距離を測ることは、とてもじゃないが出来ないと判断した。
四方を囲まれたその道は洞窟と違って人間が歩きやすい造りになっていて、左右の壁には長い間使われていないであろう、錆びたランプが淋しげにぶら下がっていた。
古びた木戸を閉めてしまえば、外の風や雪は入ってこない。しかし天井には空気穴が空いているのか、時折ビュウビュウと冷たい空気が降りてきた。
この先を進んで行けば、目的地に着くだろう。しかし、その途中で何に出くわすか分からない。
考えられる危険は数多くあるが。
………とにかく、進んだ。
暗闇を掻き分ける様に、ただひたすら進んだ。
それから、どれだけの時間が経っただろうか。
「…………………足が痛い…」
「………少し……休む…?」
恐らく、とっくに夜は明けて、朝を通り越して昼前後…という時間帯だろうか。
イーオの話で聞いていた、城へと繋がるこの暗い暗い、地下の抜け道。
外の様子は分からないため、あやふやな体内時計だけが頼りである。
…一晩中歩いたが、一向に景色は変わらない。


