亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~










「元々私は、助けようなどと思って遥々この国に来たわけではありません。…私は決めたのです、イーオ殿。貴女がおっしゃるとおり………………この国がこの国なりに解決するのならば…」














暗い樹木の向こうに、ローアンは身を投じた。老婆の視線を背に感じながら。



















「私は私なりに、勝手に解決するつもりです。何もしないのは、心底嫌いなのでね」













…日の光も届かない暗がりに塗れると、ローアンの身体は次第に“闇溶け”によって闇にのまれていった。

その後ろで既に半身が闇に溶けたジンが、その勇ましい後ろ姿に小声で話し掛ける。

「………デイファレトの国土には、大小の街が数多く存在します。…我々では到底、全ての街の民を救うことは不可能です。……如何なさるおつもりですか…?」


ローアンは明確な事は何も言っていないが、護衛として常に傍にいるジンには彼女の考えている事がそれなりに理解出来ているつもりだ。


ローアンは、民を見殺しにするつもりは毛頭無いらしい。

しかし…方法はあるのだろうか。








「………確かに、我々では頭数にもならんな。しかし、ジン………お前はこの国にも有能な人材がいることを…忘れている様だな」



有能な人材?そんなのがこの国にいただろうか、と首を傾げるジン。
珍しく答えが分からないらしいジンに、ローアンは苦笑を浮かべた。















「…さて、直談判だぞ…ジン。………………この国の生粋の戦士………狩人に会いにいこうじゃないか」