そのつぶらな瞳でレトとユノをじっと見詰めながら、首を傾げている。


「………僕、あの鳥の事しょっちゅう忘れてるよ…」

「そう…?」

「だって君に懐いているんだよ?…親だと思っている君にべったりじゃないか」





…ある意味神出鬼没の雛鳥。
そんな話をした後、レトはアルバスに視線を移した。


半開きの紺色の瞳と、潤んだ漆黒の瞳が交わる。
レトは一つ息を吐き………小さな雛鳥に、笑った。























「―――…おいで、アルバス」










小さく手を振ると、真っ暗な雛鳥のシルエットは嬉しそうに跳びはねて駆けてきた。


アルバスがついて来るのを確認すると、二人は手を繋いだまま。



















前へ、走り出した。








静かな、雪の夜。




並ぶ小さな二つのシルエットと、その後に続いていく小鳥。
















深い夜の闇は、全てを飲み込み、全てを隠し、全てを消し去っていく。














漆黒の奥へ、奥へ。

人知れず………僕等は、夜に塗れていく。




















夜を、駆け抜ける。





































僕等は、駆け抜ける。