「―――………だから、どうやって助けるんだ?……………………………………………………死んだ人間を」
「―――………え…?」
―――今、何て。
―――…何て言ったの?
―――…死ん、だ…?
死ん…。
「―――長っ!」
…突如、耳に飛び込んできたハイネの声。
我に返ったドールの視界に、徐々に大きくなる鈍い光沢の輪郭が…映った。
ハッとした時には既に構えは遅く、一秒にも満たない僅かな時間の中で、目と鼻の先に迫っていた刃は避けられないと腹をくくる自分がいた。
鋭利な切っ先の襲来を前に、恐れをなしたかの様な一瞬の無意識の瞬きをした直後………再び見開いた視界の中央に、見慣れた背中があった。
「…ハイネ!?」
ドールの目の前には、剣に剣を重ねるハイネの後ろ姿。
図体に似合わずいつの間にか距離を埋めていた俊敏なゼオスの剣を、ハイネは震えながら受け止めていた。
研ぎ澄まされた大振りな剣と、刃こぼれの激しい痩せた剣。
両者の力の差は、既に互いの武器が物語っていた。
…見上げた先にあるゼオスの厳つい顔が焚火の仄明かりに浮かび上がり、何とも言えない残忍な笑みが見えた。
…ゾッと、した。
「………長!…ボサッと…しないで、下さいっ…!!」
「………いいところだったのによ。…邪魔くせぇ…」


