「………」
一際強力な突風が頭上を越していき、乱暴な冷たい風が背中を撫でていく。
ユノは身震いしながら顔をしかめ、瞼を閉じた。
………頭が、痛い。
あの神声塔での激しい頭痛程ではないが、こめかみ辺りから後頭部にかけて……つまり、頭全体が痛い。
柔らかな皮膚の下にある何本もの血管がビクビクと波打っている様な感覚が、なんとも気持ち悪い。
………昔から、よく頭痛がしていた。
緊張したり、悩みがあったり、嫌な事があったりすると、とても頭が痛くなるのだ。
そういう時は、なんだか自分が自分ではなくなる様な……自分からも、全てからも、否定されている様な気がしてならない。
………そう。……僕の存在理由は、あまりにも大きい。
王になるため。王になって、この国を統べるため。玉座につき、一度崩壊してしまった王政を再び甦らせるため。
眠りについているこの国に、命の息吹を。
再び、栄光の時を刻むために。
神の望み通りに。
………僕が。
………僕が……するのか。
どうして僕は、僕に生まれてきてしまったのだろう。
“次なる王にならされる貴方様がこの世に生まれて来て下さった事、感謝致します…。”
周りは皆、そう言って僕がいる事を喜んでくれる。
ちょっと素直に笑うだけで、彼等はとても喜んでくれる。
人の気も、知らないで。


