あからさまに接触をもってはいけない。関わってはいけない。
………そんな異端者同士が、こんなふうに仲良く手を繋いで共にいるという事実が、なんだか妙におかしい。
デイファレトの歴代の王は皆、育ちも考えも街の民に偏っていたため、どうしても…狩人という存在を避けていた様だ。
共に手を取り合っていくだなんて事は一切せず、政においては狩人の事など見て見ぬ振り。
……自然、狩人と関わりを持とうとしないそういった王族の態度は街の民にも広がり………いつの間にか、深い溝が両者の間に生まれたのだ。
その結果が、今だ。
戦士の異名を持つ狩人は蔑まされ、最低の身分とされ、害虫か何かの様に扱われ………国という政の世界に、居場所を無くした。
狩人とは、哀れな民だ。
街の民から虐げられ、王族にも見離され、ただただ………雪の中でひっそりと生きる者達。
―――王政が崩壊してから、約五十年経つその今。
………再び、王が生まれようとしている。
この国を統べる人間が………私の背で、小さな身体で精一杯……静かに、生きている。
………この国は、変わらねばならない。
この国を本当の意味で、一つにしなければならない。
分け隔て無い、人の社会を作るべく。
……しかしそれには………。
(………………この子も………変わらなければならない………)
隣りを歩くレトにずっと話し掛けているユノの重みを背に感じながら、サリッサは思った。
そう。
この子はまだ幼い。
この幼い王は、変わらねばならない。


