狩人達は谷の手前で立ち止まり、標的が落ちていった谷底を覗き込んだ。
………日の光が届かない、闇が住む地獄の底から青年の悲鳴が余韻を残して響き渡っていたが、それは突然プツリと聞こえなくなった。
………あの二人の姿形、そして気配すら無くなってしまった谷は、何事も無かったかの様に大口開いて猛吹雪をただただ飲み込んでいた。
「…馬鹿な奴等だ。………ここから落ちれば、いくらフューラとて生きてはおれまい…」
「………死んだ…ことは間違いないだろうが…………………どうも釈然とせぬな…」
「………戻るぞ…」
…自分達の手で仕留めた訳でもないため、どうにも後味の悪い終わり方だが………彼等の生死を確認する手立ては無い。
ここに突っ立っていても仕方無いし、覗き込んでも底の様子が見える筈も無い。
………狩人達は傷付いた仲間をつれ、何度も谷を振り返りながら無言で引き上げた。


