亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



………レトバルディアが生まれてから、もう11年。

あれから……11年。



コムに助けられながらも、子育てなど不慣れな男手一つで、すくすくと育ってきた。
目を見張るその成長振りに毎日驚かされている。

…大きくなるにつれて、この子は段々と………母親に似てきた。
髪の色だとか、顔立ちだとか。

………このまま大きくなって、成人した頃には、彼女と生き写しになるのではないかとさえ思う。














「………アシュメリア……。………………私には………分からぬ…」















毎日考えているが、結局分からないのだ。

分からない。

分からない。











………お前の子を、狩人にしてよかったのか。













………果たして、よかったのだろうか。


大事な子を………厳しい狩人の世界に引き摺り込んでしまって………よかったのか。




………やっぱりあの時……置いてきた方がよかったか。

この子の声に、振り返らなければ。

ひしとしがみついてきたこの子を、突き放せば。





そうすればこの子は…。




















(………………幸せに…なれただろうか…)

















………自分の幸せなど、どうでもいいのだ。
この子さえ幸せならば。
私は、構わない。
この子が………泣いてしまわない様に。






…狩人の戦いにこの子が独りで挑んでいる時、私は何度……この子を守ろうとしただろうか。

他人の介入が許されない事など分かっている。だが………私には、堪えられない。

この子が怪我をするだけで、私は平常心を失ってしまうのだ。