亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



……キャスティングはいいとして…このままごとの世界設定は、既に決まっているらしい。
とにかく登場するのは、熊と二匹のミツバチ。
蜂蜜好きですぐ家を荒らす熊に困ったミツバチが、月一に定期的に蜂蜜を熊に分け与えているらしい。
そしてもう一匹の二号とかいうミツバチの蜂蜜は絶品らしく、熊は充分な量の蜂蜜を貰っているにも関わらずそれが欲しくて欲しくて堪らない。駄々をこねているらし……。




………………その熊が、私か。








軽いショックを受けながらも、「ここからはアドリブ―!」と言う陽気なルウナの声に応える様に、無心で阿呆面の熊の縫いぐるみを、人形遊びの要領で揺らした。


「二号しゃんが風邪を引いてしまったんだって―。可哀相だね―。ほら、あんにゃに苦しそう―」

どうやら苦しそう…らしい……テーブルの中央に俯せに放置された二号。
ルウナはミツバチの縫いぐるみをブーン…と振り回し、使者が持っている熊にドカーンと突っ込んだ。

何故だ。



「くまさん!明日はくましゃんに蜂蜜を渡す定期日だけど、二号さんが心配だきゃら取りにいけにゃいの―。明後日に延ばしちゃ駄目―?」

「……………………………………えっ…。………いえ………あの……私は別にいつでも…」



あ、自分の番か…と気が付いた使者はハッとして何か台詞を言おうとした。

……が。



「えぇー?やっぱり駄目―?絶対に明日じゃないと駄目―?そんな、せっしょうな―。分かったよ―。二号さんが心配だけじょ、頑張って取ってくりゅから―。二号しゃんの蜂蜜取ったら、めっ!でしゅよ―」







………。




…熊は、王子の独断と偏見により、更に駄目になっていく。