「あっちでやろうよ―!ルウナは働き者のミツバチさ―ん。おじさん達は森のくまさんね―!」
…そう言って、案内される筈だった大広間に向かって指差すルウナ。
使者達は互いにひそひそと、この場をどう乗り切るかを囁き合う。
「……どう致しますか本当に…」
「………ままごと、するのですか?…これ、王子様からの命令になるのですか?」
「まず、人間ですらない配役ですけど」
………少し気まずい上、悔しい気もするが、使者達は助けを求めるかの様にアレクセイに視線を投げ掛けた。
お手上げ状態の彼等の憂いを秘めた視線にすぐさま気が付いたアレクセイは、助け船を出してくれるのか…にっこりと微笑んだ。
「………ああ、実はバリアン王へ文をしたため様と考えていたところなのですよ。不在の陛下に代わり、私が代筆致します。………その間………まぁ、あちらの大広間にて、申し訳御座いませんが、よければルウナ様と遊んで下さいませ」
「あしょんでやって―!」
……船は、泥船だった。
ああ、これは嫌がらせに違いない。
先程非難されたことへの腹癒せによる仕返しに違いない。
「ミツバチさんとくまさんは、本当はね、あんまり仲良くないの。ミツバチさんが大切にしちぇいる蜂蜜を、いっつも欲しがっててね―。それでミツバチさんがお留守の時や、病気で寝込んじゃってる時に、くまさんはこっそり入って大切にゃ蜂蜜を取っていっちゃうの。そんなグータラでぷーたろうなのがくまさんね!確認良いでしゅか―?お返事は―?」
「………はい。ミツバチ…殿…」


