亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



…まるで話にならない。

……ここに来た本来の目的は、先日の国交によるデイファレトに関する事で、王本人に問い質す……筈だったのだが………その任務はまず果たせそうにない。



「………もうよい……」

小さく舌打ちし、使者は低い声音で言った。


「……王が話をする気が無いのならば………フェンネルは…国交を放棄すると見た。………何が友好的だ!…知っているのだぞ………貴殿等が裏でこそこそと動いている事を!………何を企んでいるのかは知らないが………これは我が国、バリアンへの裏切りだ!!……侮辱に他ならぬ!!」

小刻みに肩を震わせ、使者は城内に目を走らせながら喚く。
……老紳士と青年は無言で彼の言葉に耳を澄ませている。

「最初から友好的な関係を築くつもりなど、毛頭無かったのであろう!…うさん臭いとは思っていた…。………やはり、ケインツェル様のおっしゃられた通り、フェンネルは戦を恐れて影で動く事しか出来ぬ国だ!」

「………あの陰険眼鏡はそんな事を言っておりましたか…」

まだ記憶に新しい、妙に鮮明に覚えているあの気持ちの悪い側近の姿を思い出し、アレクセイはあからさまに眉をひそめた。


「………こちらはいつでも戦など出来る。…臆病な貴殿等はどう出る?……また影に隠れるのか?………薄汚い国だな!どいつもこいつも、全くもって………汚い…」


































「―――…『きたない』って何ぃ―?」















極め付けに二人に向かって豪快に笑い、早々にここから立ち去ろう……と構えた直後。

……不意に…目下から、甲高い陽気な声が聞こえた。