巨大な城門前で偉そうに腕を組み、きつい言葉でああ言えばこう言って跳ね返してくる、明らかに見下す青年を前に、バリアンから遣わされた使者達は苛々苛々していた。
………出会い頭にこの青年、指差して「…不審者~」とか無礼な事を言ってきた。なんだこのガキ…とは思ったが、重苦しい法衣姿の身なりからしてそれなりに高い身分の様だった。
…城を出入りしているから、多分そこらの民ではない事は確かだ。
………だが、だが、だ。
入国してやっとこさ城に着いた途端、どうしてこんな下らない押し問答をしなければならないのか。
何処のどなた?とか言われた…。こちらは正式に入国する事を書状にて伝えた筈だし、こっちの国だって「どうぞお待ちしております」と許可してきたではないか。
なのに何故、最初から不審者扱いされるのだろうか。
こんなガキに。
そして何故かこっちの話をまともに聞いてもくれないし。
「………ですから……書状を送った筈で…」
「何の書状?一日数十件送られてくるから分かんないや。バリアンとか…またまた―。冗談言っちゃいけないよおじさん達。バリアンの使者ってのはもっと偉そうで品が無くて脂ぎっていてどっかイカれてる連中なんだよ。何怒ってるの?おじさん達はただの不審者だから人事でしょ」
「………ですから……我々は……バリアンからの使者で……………………肌の色見れば分かるでしょう!!明らかにここの国民とは違うじゃないですか!!」
「何か塗ってるんじゃないの―?最近多いんだよね…そういう気違い。駄目駄目、流行らないよそんなの。おじさん達いい歳してさ」
ダサイな―…と、呟く青年。
……からかわれている。絶対。


