亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



からかわれても何処か冷静に言い返す打たれ強い少年ダンテは、まだ縮こまっているレトを一瞥し、溜め息を吐いた。

歩み寄ってくる母の後ろにつき、元来た道を辿って二人はその場を後にした。



………国中に散る異端者から狙われる王族と、それをひたすら守り抜こうとする凄腕の狩人。

これから先、一行には様々な危険や災難が降り懸かる事は明白。
………しかし、それでも選んだのは、彼等だ。




「ダンテ、あんたちゃんと謝らなくてよかったの?あれは僕の馬鹿な冗談でした、ごめんなさーい…って」

「………失礼な。あの時は幼いながらも俺はちゃんと本気だった」

「あんた、その台詞本人の前で言わなくてよかったわね。殺されてたわよ」


苦笑を浮かべ、マナはちらりと後ろを振り返り、誰にも聞こえない位の小さな声で、呟いた。

















―――…神よ、どうか彼等にお慈悲を。…幸、あらん事を。









































………春の息吹など当の昔に忘れてしまった…寒い寒い、極寒の雪国。

降り止む事のない深い雪の奥底で、役者達が人知れず怪しく蠢いている最中。














南東にあたる、大国の純白に輝く城で。

















「何処のどなたかは知らないけど城まで堂々と来るとはいい度胸してるね、無駄に。はい帰った帰った。僕もね、暇じゃないんだよあんたらと違って。ここで立ち往生してあんたらと会話する時間が惜しくて仕方無い。それに今日は晴天だし?日焼けしちゃうからさ。もう相手するの止めたいんだよね。ほら、回れ右して。あれ、言葉分かんない?」