第三者からはその痛みは如何ほどかは分からないが、息継ぎ無しのレトの言葉に、とっても傷ついたのだろう。
少し離れた森林の手前で大木を背に、何処か遠い目で空を見上げているダンテを無視し、ザイとマナ、サリッサも混じって真剣な話をしていた。
足元では、膝を抱えて座るレトをユノとアルバスが励ましている。
「………依頼主は……第二大国バリアンの…兵士だと?」
「そう。…嫌気が刺す程偉そうな連中でね。………素姓を隠しているつもりだろうけど、もうバレバレ。………気を付けな………あんた達を血眼で捜している輩はあちこちにいるよ。………途中、妙な奴等も見掛けたよ…」
「妙…?………バリアン兵士や狩人……でないならば………………街の民か?」
……しかし、街の民が王族暗殺に関与するとは思えない。彼等のほとんどは、王族はもう滅んだと思い込んでいるのだから。
案の定、マナは首を左右に振った。
「………街の民でもないね。………あんた達が立ち寄った神声塔………あそこでウロチョロしていたのさ。………あんたの仕掛けた罠、見事に避けてさ。………ちょっとけしかけてみたけど…逃げられたよ。………でも、そんじゃそこらの人間の動きじゃなかったね…」
「………特徴は…?」
「………若い男と女の二人。………悪いけど、情報はそれだけ。崖から落ちちまったけど………ダンテ曰く、死んでない…ってさ」
………依頼主がバリアン兵士。そしてそれ以外の素姓の知れない影。
………得られた情報は多いが、その分厄介事が増えた。


