もうこれ以上ぶり返さないでほしい。本気で。
あの時の周りの引き様といったら……もう白い目を通り越して何色か分からない凄い目で見られた見られた。
お袋は腹を抱えて地面を叩きながら「これうちの息子ですよ皆さん!」って笑うし、アオイは悪乗りして「皆さんここ注目!!注目!!」って叫ぶし、このザイは「………私の後ろにいなさい」って息子を避難させるし、当の本人は………………眠そうな顔してるし!ああそうかこいつ、寝てたのか!だから覚えていないのか!!へ―、なるほど!!
……そう、あの時だけ…俺は見せ物小屋の珍獣か何かだったに違いない。
……あ…思い出したら恥ずかしいとか越して、腹が立ってきた。
「………あ!いやらしい目で見てる!!やらし―!お兄さん!!」
「………」
ユノの茶化しを真に受けたらしいザイは、更にレトを後ろに隠す。
ちょいと待ちやがれ、王子様。
「………おいガキ、王子だかなんだか知らねぇがちょっとそのよく喋る口閉じてろ。………ザイ、あんたもその無駄な警戒心解いてくれよ…こんな過保護な親父見た事ねぇよ…」
「…お前に『親父』と呼ばれる覚えはない!」
「お袋、どうにかして。この人」
何を言ってもクワッ!と、卵を守る親鳥の様に噛み付いてくるザイ。
もう嫌だ、俺疲れた…とブツブツ呟くダンテは、とりあえずさっきから真っ青のままザイにくっついているレトに、せめて誤解を解こうと静かな殺気を当ててくるザイを無視して歩み寄った。
「………………あー……ちょっといいか…?………確かに昔、そんな事もあった。あったけどな、あれは勘違いで…」
「すみませんがちょっと僕に近寄らないで下さい」


