「……………し………………………………………です……………」
途切れ途切れの、くぐもったサリッサの掠れ声は………本の僅かに空気を乱すだけで、よほど近付いて耳を澄ませなければ聞こえない程小さなものだった。
彼女を抱き締めているシオンの耳にはちゃんと届いていた筈なのだが、彼は少し意地悪く微笑んで、真っ赤なサリッサの耳に口を近付ける。
「…………………サリッサ……聞こえないよ…」
含み笑いをするシオンに、サリッサは少し遠慮がちに涙目で睨んだが、シオンからすればそれは可愛くしか映らない。
サリッサは真っ赤な顔を隠す様に、シオンの服に顔を埋めて、呟いた。
「…………………………………………………………好き…で…す。……………私…も…」
「………同情かい?」
ポツリと囁かれた、少し不安げな彼の言葉。
………今度は……ちゃんと…言える。
ちゃんと………はっきりと。
ありのままに。
素直に。
「………………いいえ………心から…です」
「………そう…」
泣きながら、笑うサリッサ。
壊れやすい…儚げな彼女を見下ろして…。
シオンは至極嬉しそうに微笑んで、それだけ言った。


