「………どうやって倒したんだい?…どういう動きで、どんな武器で………物凄く興味があるんだ……………そういうの」
青年の鋭い瞳が、真直ぐアレクセイを映した。
………奇妙な威圧感がある。
……こちらに何を言わせたいのか。……………もしくは…。
話の主旨をずらし、勝手に割り込んできては進める青年に、老王はあからさまに慌てた。
「……アイラ!!…………下らん話は止めよ!!……もうその話は終わったのじゃ………口を閉じよ…!」
……アイラと呼ばれた青年はその笑顔を老王に向け、「ちょっとした好奇心ですよ」と小声で言った。
「………父上、せっかくの国交なのですよ?……こうやって異文化と接触出来るのも、もしかしたら最初で最後………になることは望みませんが、かもしれませんから。…………なあ?……………リイザ」
そう言って、アイラは玉座を挟んだ反対側に顔を向けた。
………その動作につられる様に向けて、行き着いた視線の先には…………一人の少年。
アイラをもっと幼くした様な、整った顔立ち。
十代前半位の可愛らしい少年だが………容姿とは裏腹に、その表情は酷く無愛想だった。
仏頂面の少年の眼光は、切れ味の良いナイフの如く光っていて……………………なんだか……近付いたら噛み殺されそうだった。
リイザというらしい少年はアイラに話をふられ………その小さな口を開いた。
「―――………ええ、兄上。……………………見てみたいものです。……………………………………獰猛な獣より、どれ程…獰猛か…………」


