約一ヶ月。
一ヶ月とは……こんなにも早いものだっただろうか。
少なくとも、今まで生きてきた中での記憶を辿っても、こんなに早く過ぎてしまう一ヶ月は無かった。
こんなに、名残惜しい時は無かった。
何故だろう?
何故かな?
何故?
何故…。
「………せっかく仲良くなれたのに……寂しいですね」
本の少し、憂いを秘めた微笑。
………寂しいね。
寂しい。
君も、私も……寂しい。
とても………寂しい。
そうやって笑いかけてくれる時は……無くなるのか。
私はまた、独り。
寂しい。
寂しい。
寂しい。
………ああ………そうか。
そうなのか。
…どうしてこんなにも寂しいのか。
どうしてこんなにも苦しいのか。
……分かった。
分かった気がする。
…ねぇ、サリッサ。
………。
………。
………。
―――。
「ねぇ、サリッサ」
「………はい?」
サリッサは振り向かず、ドレスの裾をジッと凝視したまま答えた。
ここにきめ細かいレースをあしらおうか?
それともさっきのリボンでいいかな?
裾の方は刺繍をしていないから、リボンの方がいいのかもしれない。
そう思いながら、サリッサは赤のリボンを裾辺りにあてた。
「好きだよ、サリッサ」


