「………ええ、まあ………私の、とんでもない思い過ごしである事には違いないのですが、つまり………」
笑顔で勿体ぶるアレクセイの目付きが急に…………鋭くなった。
「―――…まるで…あの獣らに………いえ、あれを従えるどこぞの人間に………………最初から待ち伏せされていたかの様な…」
「―――っ……黙らんか!!」
響き渡る一喝と共に、弾かれた様に老王は立ち上がった。
カッと頭に血が上ったのか、血色の悪かった顔はその髪色同様に真っ赤に染まり、額からは珠の様な汗が浮かんでいた。
「―――…わ……我が国が……貴様らに、猛獣の群を…さ…差し向けたとでも言うのか!!……無礼な!!…戯言も大概にせい!!」
大声の出し過ぎで辛そうに肩で息をする老王。
…そのすぐ傍らに立つ銀縁眼鏡の…妙にニヤニヤした薄気味悪い男が、いきり立つ老王を随分慣れた様子で落ち着かせ、静かに座らせた。
………そんな動揺しっぱなしの老王を冷めた目で見詰め、アレクセイは薄ら笑みを浮かべてフッと視線を逸らした。
「―――………私は一言も……そんな事は言っておりませんが…?………いえいえ、まさか。威厳高きバリアン王ともあろう方が、その様な小癪な真似をされるなどあってはならない………否、有り得ません。……どうせ金目当ての賊の類でしょう。お気をつけ下さりませ、王よ。賊は見境い無い様ですので」
「………」
勝手に質問などとほざいて発言したかと思えば、意味深な…言いたい事を言うだけ言って自己解釈してしまった。
…気まずそうに口を閉ざす老王に代わり、傍らに立つ銀縁眼鏡の男が喋り出した。
笑顔で勿体ぶるアレクセイの目付きが急に…………鋭くなった。
「―――…まるで…あの獣らに………いえ、あれを従えるどこぞの人間に………………最初から待ち伏せされていたかの様な…」
「―――っ……黙らんか!!」
響き渡る一喝と共に、弾かれた様に老王は立ち上がった。
カッと頭に血が上ったのか、血色の悪かった顔はその髪色同様に真っ赤に染まり、額からは珠の様な汗が浮かんでいた。
「―――…わ……我が国が……貴様らに、猛獣の群を…さ…差し向けたとでも言うのか!!……無礼な!!…戯言も大概にせい!!」
大声の出し過ぎで辛そうに肩で息をする老王。
…そのすぐ傍らに立つ銀縁眼鏡の…妙にニヤニヤした薄気味悪い男が、いきり立つ老王を随分慣れた様子で落ち着かせ、静かに座らせた。
………そんな動揺しっぱなしの老王を冷めた目で見詰め、アレクセイは薄ら笑みを浮かべてフッと視線を逸らした。
「―――………私は一言も……そんな事は言っておりませんが…?………いえいえ、まさか。威厳高きバリアン王ともあろう方が、その様な小癪な真似をされるなどあってはならない………否、有り得ません。……どうせ金目当ての賊の類でしょう。お気をつけ下さりませ、王よ。賊は見境い無い様ですので」
「………」
勝手に質問などとほざいて発言したかと思えば、意味深な…言いたい事を言うだけ言って自己解釈してしまった。
…気まずそうに口を閉ざす老王に代わり、傍らに立つ銀縁眼鏡の男が喋り出した。


