―――……十五年前、だっただろうか。
見上げる空や、立ち並ぶ山や、何処か寒々とした街を取り巻く季節は、やはり冬で………何処もかしこも、真っ白で…。
フードの僅かな隙間から入り込んでくる細かな雪も、やはり純白で、美しくて…冷たかった。
どんなに歳月を経ても、歳をとっても、何処に行っても。
この世界は、変わらない。
私を取り巻くこの世界は、いつも表情を変えない。
きっとこれからも、変わらない。
私の定められた道が一本でしかない様に、世界が辿る道も、一本なのだ。
………なんて……物寂しいのかしら。
…背負った荷物にふと目をやると、いつの間にか雪がこんもりと積もっていた。
………ああ、どうりで少し重いと思った。
最初に背負った時よりも明らかに、背中に掛かる負担が増していた。
軽く背中の荷物を傾けて雪を落とし、再び深雪に足を踏み入れた。
………風が吹いてきた。…吹雪きになるのかな。
………早く帰らないと。
帰ったら荷物の整理をして、ご飯の支度をして………。
これからやらねばならない家事の事を考えながら、もうすぐ着くであろう街を目指した。
―――……サリッサはその時、まだ成人したばかりの、16歳だった。


