「チッチッチッチッチー、チー」
………日ごとに変わる、アルバスの歌。
つい最近生まれてから今に至るまで、危機感というものを知らない、楽観的な雛鳥。
この鳥は確か、恐ろしく警戒心が強い筈なのだが…。
歌なんぞ歌って………天敵に食べて下さいとでも言っているも同然だ。
時折、親のレトに踏まれそうになりながらもやはり歌いながらついてくるアルバス。
枯れ枝の様な細い足で粉雪を蹴り、その黒い羽毛を雪塗れにしていく。
「…何なんだろうね、この鳥」
振り返りつつ、ユノは冷めた声音で言った。レトは見ようともしない。
「……カーネリアンの雛だよ。………滅多に見つからない…鳥…なんだけど……………全然だね……」
「多分、育てているのが君だからだよ。……って言っても、君…はっきり言って世話してないよね…」
放置プレイもいいとこだよ…と呟く呆れ顔のユノ。
事実、レトはアルバスの世話を全くと言って言い程、していない。
何かしら餌をやらなくても、いつの間にかアルバスは自給自足をしているらしく、虫か何かをちゃんと食べている様だった。
たまに、ふとアルバスを見ると、その嘴がモグモグと何かを噛み締めていたりする。
完全なる放置をされており、お仕置にしてはいき過ぎた虐待レベルのお仕置を受けているにも関わらず、この鳥はレトを慕っていつまでもついてくる。
………食糧としての存在なのに…、と考えると、健気だなぁ…とか通り越して、もう泣けてくる。
「………柄にも無く、今鳥に同情しちゃったよ僕…」
「………………何で……?」
「あの鳥、可愛がってあげなよ…餌あげるとか」
「…鳥肉しかない」
「えげつないなもう!」


