フードを深く被り、沢山のナイフやら短剣が内に潜む真っ白なマントを羽織った二人は、正しく狩人共通の姿だった。
積雪に溶け込んだ二人は、女性と十代半ばの少年。
携帯しやすい大きさに縮んだ弓をベルトに挟み、少年は立ち上がりながらマントの雪を払った。
「………………普通なら死んでいるだろうけど……お袋も見ただろ……あの動き。………人間離れした動きだった……」
「じゃあ、生きてるっていうのかい?………まあいいよ。………気配は消えているしね。………それより、暗殺依頼の標的の、母親と子供の親子……情報通り来てみたけど…もうここには来たんじゃないのかい?………この周辺でそれらしい気配は無いよ」
「………さっきの二人も…何か、探している様子だったな。………明らかに狩人じゃなかったが、実は同じ暗殺依頼を受けた同業者だったんじゃないか?……あんな依頼を受けない限り、こんな辺鄙な場所には来ねぇだろ……」
「それもそうだね」
女性もその場で腰を上げ、うんと背伸びをした。
……仄暗い昼間の空から、ハラハラと綿雪が舞い降りて来た。
少年は何気無く雪空を見上げ、目を細めた。
「………北の方に、でかい『嵐』が発生しているらしいぜ。………注意して進まないと巻き込まれちまう…」
「………標的の親子は大丈夫かね―………あたしらが殺る前に凍死されてたら困るよ。……報酬がパアだ…………情報には無いけど、その親子…本当にたったの二人で旅をしているのかい…?………………狩人を雇っていると思うんだけどね…」
「へっ。……どっちにしろ、まとめて殺ればいいだけだろ………次のルートは『禁断の地』だったな。お袋、急ごうぜ」


