亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~

『―――………酷たる姿は……予の志にあらず。………………忠良なる予の腹心よ…そなた達に…終いの時を与える。………そなた達の酷なる行いを改め…最善を尽くし……予の世界の均衡を保つ事、これは……神命なり。………然し…予の歳月を無駄にし……暴挙を戒めること叶わぬならば………』







………ビクン、と小さなユノの身体が一際大きく震えた。


天井を見据えたまま瞬き一つしない彼の瞳は、小刻みに揺れていた。




同時に、すっかり青ざめてしまった唇が微かにわなないた。
















『―――………予の世界は……無と、化す。………致し形無し…致し方、無し。………天翔ける予の息吹が……最後の警告なり。…無となる時……………太陽と月は昇らず…天は闇と化し…大地は海に消え…生たる者の世も…死たる者の世も消え失せ………一切の姿も無くなるだろう……………………予の意、しかと心中に刻めよ……』








……突然、ユノの身体がガクガクと激しく震え出した。

白の魔術に当てられて薄い氷の膜が張ってしまい、あまり感覚が無かったが、レトは構わず今にも倒れそうな彼の身体を支えた。


「………っ…!?」

ぐらりと傾き、レトに身体を預ける様に倒れるユノ。

なんとか彼を受け止め、異様な程冷たく力無いその身体をしっかりと支えた。


………魔方陣の光は役目を果たしたかの様に、その輝きは次第に薄れていく。

ユノの真っ赤な瞳も、徐々に元の色へ変わってきた。





彼の乾いた唇から、最後に小さな掠れ声が綴られた。