『………は……予は……天に………ありし……………者……』
………聞こえるその声は、確かに彼の口から発せられ、聞き慣れた彼の声でもある。
……だが………違う。
彼ではない。
ユノではない。
誰かが………他の誰かが、彼の身体を借りている。………そうとしか、思えない。
何かがおかしいと、疑いから確信へと代わったらしいザイは、警戒心を露にしながら一歩後退した。
一旦離れろ、とザイが目で訴えてきたが、レトは嫌だと首を左右に振った。
『―――予は………予は………頂上たる者………………名高き者…………崇められし者………予は………』
ゆっくりとした、単調なリズムで言葉を並べる彼は………己の正体を明かすに相応しい言葉を、呟く様に、言った。
『―――………この世の……命有りし者、無き者が……………“神”と呼ぶ者なり…』
―――“神”…?
この世の全てが神と崇めるのは………誰の頭上にもいるその、神は……。
『―――………予に忠実なる者………予の愛すべき者……………予の世界を導く王よ………………予の三つなる大陸を治める、君臨せし王に………告ぐ………』


