亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~





『………は……予は……天に………ありし……………者……』















………聞こえるその声は、確かに彼の口から発せられ、聞き慣れた彼の声でもある。

……だが………違う。






彼ではない。


ユノではない。







誰かが………他の誰かが、彼の身体を借りている。………そうとしか、思えない。
















何かがおかしいと、疑いから確信へと代わったらしいザイは、警戒心を露にしながら一歩後退した。

一旦離れろ、とザイが目で訴えてきたが、レトは嫌だと首を左右に振った。


















『―――予は………予は………頂上たる者………………名高き者…………崇められし者………予は………』








ゆっくりとした、単調なリズムで言葉を並べる彼は………己の正体を明かすに相応しい言葉を、呟く様に、言った。



























『―――………この世の……命有りし者、無き者が……………“神”と呼ぶ者なり…』
















―――“神”…?


















この世の全てが神と崇めるのは………誰の頭上にもいるその、神は……。
























『―――………予に忠実なる者………予の愛すべき者……………予の世界を導く王よ………………予の三つなる大陸を治める、君臨せし王に………告ぐ………』