亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



ポツポツと不満を漏らす彼の顔を覗き込みながら、レトは首を傾げた。


「………ユノは……気違いなんかじゃないよ」

「………………当たり前だよ」

真に受けないでよ、とそのいつでも眠そうなレトに、軽くでこピンを放った。

やはりぼんやりとしながら、レトはじんわりと赤らんできた額を無表情でそっと撫でた。

「………痛い…」

「…相変わらずリアクションが無いな。……初対面の時と全然変わらないな、君は」


…何の事だか分からずどうやら癖であるらしい、首を傾げる動作をするレトが、何だかおかしく思え、ユノはうっすらと苦笑を浮かべた。


「……頭が悪そうに見えるよ、レト。………でも君って、何て言うか………素直に生きてるよね……。……………………何でかな………凄く………」






………凄く…。






眠そうな半開きの瞼から覗く深い紺色の瞳が、自分をまっすぐ映していた。

透き通るそれは、ビー玉だとか、宝石だとか………もっと違う、自然な輝きを秘めていて…………そしてそれは………嫌な物しか見つけきれない僕には無くて……。




















「………羨ましいよ…」

「………?」


またもやレトは、ゆっくりと首を傾げた。



「…羨ましい??」

「良いね君は。君を見てると何だか全部どうでもよくなるよ。………世間で言う癒し系だよ、しかも天性の」

「……癒し…??」




彼の言っている事が本格的に理解出来なくなってきたレトは、うーん?と呟きながら、とうとう頭を抱え出した。