父親を想像で全部殺してるじゃないか。
というか、そのネガティブ思考は凄いよ君。
もう呆れるしかないユノとサリッサをよそに、レトは独り、病的なまでのネガティブ妄想をフル回転させていく。
「………そうだ…父さんを助けに行かなきゃ……ああでも僕一人で出来るかな…やっぱり駄目だ駄目だ駄目だよ…父さんがいなきゃ全部駄目だよ…ああでもせめて死体だけでも回収しないと…!!」
いつの間にかザイの死が確定している妄想世界。
……レトは充分強い狩人なのだから、独りでも何でもこなせると思うのだが………自分を過小評価しているのか…相当、自信が無い様だった。
「ああ、僕独りでどうやって生きていこう……父さん父さん父さん…父さんがいなきゃ僕駄目だ、駄目駄目だ……今こうしてる間にも何が起きるか分からない…!!……床が崩れるかも…壁が崩れるかも…塔が崩れるかも……!!」
「ありそうで無さそうな事言わないでくれよ!!洒落にならないからそれ!!」
ユノは歩き回るレトのマントを掴み、強引に引っ張って制止させようとしたが……レトはその場で膝を突き、丸くなってしまった。
「ごめんごめんごめん…ユノ、ごめんごめんなさい。僕独りじゃもう駄目だ……とにかく駄目なんだ。僕の運は尽きてるだろうから…ああ、でも僕のまだあるかもしれない運をあげるよ。全部使って…余すところ無く………あああ風の精が笑ってる…僕が惨めだって笑ってる…」
「レト、君キャラが変わり過ぎだよ!?」
どう対処したら良いのか分からないこの状況下。
………だが、そんな彼等に、救いの手が差し延べられた。


