亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~




………見返りなど、要らない。


ただ、ただ………国のために、働きたい。

兵士であるからには、充分に働きたい。





自分が戦士であることを、確かめたいのだ。











だが………何を言っても自分の存在は許されない。

疎外されている。







「………………どうか、私も行かせて下さい。………お役に立ってみせます……ですから……」

「………………ウルガ…」

大臣の溜め息混じりの声に、ウルガは無意識で壁を殴った。

………ダンッ、という鈍い音と共に、埃が舞い散り………大臣は口を閉ざす。



………壁と密着したウルガの逞しい拳は、小刻みに震えていた。















「……………私には、その資格が無いのですか………兵士であることも許されないのですか…。…………………………………………………それは私が………罪を背負う者だからですか……!!」

















………私を取り囲むすべての物。

全てが私を遠巻きに見詰め、避け続け、嫌う理由。







それは私が………罪人だから。



罪ある者だから。













………過去の、たった一つの汚名。





その薄汚れた汚名は私の存在に、私の人格に染み込み…………………この今を、作っている。





捨てたくとも捨てられない、愚かな産物。

付き纏う、悪意に満ちた………私の影。














「……………ウルガ……君は……………確かに、優れた戦士だ…」


大臣は椅子から腰を上げ、ウルガと直接向かい合った。