………見返りなど、要らない。
ただ、ただ………国のために、働きたい。
兵士であるからには、充分に働きたい。
自分が戦士であることを、確かめたいのだ。
だが………何を言っても自分の存在は許されない。
疎外されている。
「………………どうか、私も行かせて下さい。………お役に立ってみせます……ですから……」
「………………ウルガ…」
大臣の溜め息混じりの声に、ウルガは無意識で壁を殴った。
………ダンッ、という鈍い音と共に、埃が舞い散り………大臣は口を閉ざす。
………壁と密着したウルガの逞しい拳は、小刻みに震えていた。
「……………私には、その資格が無いのですか………兵士であることも許されないのですか…。…………………………………………………それは私が………罪を背負う者だからですか……!!」
………私を取り囲むすべての物。
全てが私を遠巻きに見詰め、避け続け、嫌う理由。
それは私が………罪人だから。
罪ある者だから。
………過去の、たった一つの汚名。
その薄汚れた汚名は私の存在に、私の人格に染み込み…………………この今を、作っている。
捨てたくとも捨てられない、愚かな産物。
付き纏う、悪意に満ちた………私の影。
「……………ウルガ……君は……………確かに、優れた戦士だ…」
大臣は椅子から腰を上げ、ウルガと直接向かい合った。


