山積みの問題に頭を抱える軍部大臣の苛立った声が響き渡る室内に……突然、別の低い声音が割り込んだ。
言葉を遮られた大臣や、その回りを囲んでいた兵士等は……その声の主に……………ウルガに、視線を投げた。
たった一人、歩を進め、堂々とした振る舞いでウルガは再度言い放った。
「……私が、参ります。………私も、その班に加えて下さい……」
低いその声は、まるで獣の静かな咆哮。
妙に威圧感が混じる彼の存在に、軍部大臣は微かに眉をひそめた。
……大臣だけでは無かった。他の大臣も、配下の兵士達も、皆………何とも言えない様な、複雑な表情で彼を見ていた。
………異質な空気が、漂っていた。
ウルガという存在だけが、何故か隔離されている様な…。
「………………ウルガ=デニメス……貴殿の意見は………却下だ…」
非常に言い辛そうに、大臣は重い口を開いた。
即座に、ウルガは「何故です」と言葉を返した。
………納得いかない。
「………………別に、班の長を希望している訳ではありません。ただ私は………私も、お力添えをしたいだけです。………私は、この計画からは外されております………」
事実、ウルガはこの王族捜索計画からは外されていた。
着々と進められている重大な計画からは隔離され、極普通の……城内の兵士と何ら変わらない仕事をしていた。
………デイファレトへ派遣されていく兵士等を国境まで見送りながら……ウルガは、何の役にも立てない己の位置が、悔しかった。


