亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



頭上の空間を叩いたハンマーから、先程と同じ様に衝撃波が広がっていった。

ドールらに迫っていた鋭利な氷柱は、突如発生した下からの衝撃波に巻き込まれ、弾力のあるクッションに跳ね返ったボールの様に、周囲に散らばった。




……そこから離れた場所。
…必死で氷柱の嵐に切り込んでいたバリアン兵士だったが、内一人が突然悲鳴を上げて倒れ伏した。



…避け切れなかったらしい。
一本の長い氷柱は、彼の利き腕である右肩を深く抉り、血肉を付着させたまま地面に突き刺さっていた。

………負傷していく仲間を傍目に、ひたすら剣を振りながら悔しそうに頭上の魔方陣を睨み付けた。



「………クソッ…!!」































「―――…氷菓子の雨が降る―…甘―い、甘い、粉砂糖を散らして―…………………フフ、ハハハハ…」


無邪気な子供が夢見る様な、可愛らしい歌を口ずさみ、冷たい床の上でリズミカルにステップを踏んでいく。

踏んでしまいそうな長過ぎる髪だが、動きに呼応して自ら避けていった。。


刺青だらけの真っ白な素足でステップを踏んだ所だけが、青い光を放つ。




クルクル、クルクルと………謁見の間を我が物顔で歌い、踊る…不可思議な緑の………化け物。


………人の形をした、子供の様な………化け物。








「―――……騒がし―い…お客様……礼儀のなってないお客様………………お帰り下さい……お帰り下さい………アハハハ………」