亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~























「―――………………皆、殺したから」





























………………何処か物寂しい沈黙が、二人の間を過ぎった。




真一文字に口を固く閉ざし、何処か険しく、しかし寂しげな表情で地面を睨むユノ。




………何故彼が、こんなにも笑顔が無いのか分からない。


分からないけど………多分、原因は自分にあるのだろう。





………分からない自分が、酷く憎い。















「………………………………ごめん、ね…………ごめん……………………………」

「………」

困惑しながらも…とにかく、謝り続けるレト。

……………ただ、寂しい。



………ユノが笑ってくれないのが……悲しい。








…悲しい。




















「…………………………………嫌いになっても、いいから………」











ポツリと呟いたレトの悲しげな言葉に、ユノが顔を上げた。


「…………………………………大嫌いでも………いいから…………………………僕………………本当に……汚れてる…から………」

「………」












―――その途端、だった。

始終無言だったユノが突然………。






………引っ込めたレトの手を取り、そのままズカズカと丘を登り出した。



呆気に取られながら、レトはなすがままに引っ張られて行く。

後ろから、アルバスが懸命について来た。

「―――……行こう」







そう言ったユノの顔は見えない。

だが………冷たい手が次第に暖かくなっていく感覚が……嬉しかった。