「―――………………皆、殺したから」
………………何処か物寂しい沈黙が、二人の間を過ぎった。
真一文字に口を固く閉ざし、何処か険しく、しかし寂しげな表情で地面を睨むユノ。
………何故彼が、こんなにも笑顔が無いのか分からない。
分からないけど………多分、原因は自分にあるのだろう。
………分からない自分が、酷く憎い。
「………………………………ごめん、ね…………ごめん……………………………」
「………」
困惑しながらも…とにかく、謝り続けるレト。
……………ただ、寂しい。
………ユノが笑ってくれないのが……悲しい。
…悲しい。
「…………………………………嫌いになっても、いいから………」
ポツリと呟いたレトの悲しげな言葉に、ユノが顔を上げた。
「…………………………………大嫌いでも………いいから…………………………僕………………本当に……汚れてる…から………」
「………」
―――その途端、だった。
始終無言だったユノが突然………。
………引っ込めたレトの手を取り、そのままズカズカと丘を登り出した。
呆気に取られながら、レトはなすがままに引っ張られて行く。
後ろから、アルバスが懸命について来た。
「―――……行こう」
そう言ったユノの顔は見えない。
だが………冷たい手が次第に暖かくなっていく感覚が……嬉しかった。


