亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~




そんなユノを傍らに、レトは背中に手を伸ばし……。















………スラリ、と………背負っていた長い剣を、抜いた。





























……光る刀身を見た途端……ユノは、息をのんだ。









「………………レト…?」













「…………や………嫌っ…!……嫌ああああ!!………やだ!…やだ!」



不意に視界に飛び込んできた長い剣を見るや否や、少女は狂った様に叫び出した。


パニック状態の少女はカッと見開いた目で、意味も無く四方八方を見渡し、喉元を押さえ付けられてたまま、激しく首を左右に振った。



白い喉が固い弓と擦れ、ジワリと血が滲む。






「…………レト………ねぇ…レト…」


動揺を隠し切れないまま、ユノはレトと少女を交互に何度も見やった。


………何かに熱中する様に、レトはユノに振り返らず淡々と動作を続けていく。



……抜いた剣をぼんやりと見詰め、よく切れるかどうか確認し………剣の柄を、両手で握った。


………目下の少女の叫びは、更に悲痛な響きを増した。


「嫌っ!!止めて!!殺さないで!!……ああああ!!お父さん!!……お父さ…ん!!」

「………レト!!ねぇ…!………………この娘、子供だよ…?………女の子だよ…!?」

……レトはゆっくりと、両手で握った剣の切っ先を真下に向け……少女の心臓が眠る胸の真上で、ピタリと止めた。




「………………子供でも………生命を生み出す…神聖な女性でも………………そうである前に、この娘は……………………………狩人だよ……………狩人の道を、選んだんだ………」