前を見ても、見上げても、見下ろしても。
瞳に映るのは真っ黒な空気。漆黒の闇。
……進んでも進んでも、先は見えない。
―――怖い。
…怖い。
とても、怖い。
しかし、振り返らない。
振り返りなど、するものか。
…側にいるのは偽りの人間。仮面ばかり。
だから、もう、いい。
そんな奴等に囲まれているのは、もうたくさんだ。
僕は独りで良い。
独りで………使命を果たすんだ。
誰の力も要らない。
皆、あっちにいってしまえ。
消えてしまえ。
「…………はぁ…………ぁっ………はぁ……」
いくら転ぼうが、氷柱に衣服を引っ掛けようが、擦り傷を作ろうが……ユノは走り続けた。
聞こえるのは自分の乱れた息遣いと、もうフラフラで力の入らない両足が鳴らす足音。
………目が…痛い。
…まだ、赤くなっているのだろうか。
この力を使うと、体力がドッと減る。
……故意に使っている訳では無いのだが。
(………)
額に張り付く髪を振り払い、マントの端を引き寄せ、無我夢中に走り続ける。
『―――貴方様のお祖父さまである前デイファレト王は、それはそれは素晴らしい御方で…』
『―――稀に見ない優れた御方。王の中の王で御座いました』
『ユノ様もお祖父さまに並ぶに値する、立派な方に…』
『少しでも並べる様に…』
底知れない闇の向こうに、真っ白な閃光が顔を覗かせた。
歪な円を縁取った光は、徐々に大きくなり…。
瞳に映るのは真っ黒な空気。漆黒の闇。
……進んでも進んでも、先は見えない。
―――怖い。
…怖い。
とても、怖い。
しかし、振り返らない。
振り返りなど、するものか。
…側にいるのは偽りの人間。仮面ばかり。
だから、もう、いい。
そんな奴等に囲まれているのは、もうたくさんだ。
僕は独りで良い。
独りで………使命を果たすんだ。
誰の力も要らない。
皆、あっちにいってしまえ。
消えてしまえ。
「…………はぁ…………ぁっ………はぁ……」
いくら転ぼうが、氷柱に衣服を引っ掛けようが、擦り傷を作ろうが……ユノは走り続けた。
聞こえるのは自分の乱れた息遣いと、もうフラフラで力の入らない両足が鳴らす足音。
………目が…痛い。
…まだ、赤くなっているのだろうか。
この力を使うと、体力がドッと減る。
……故意に使っている訳では無いのだが。
(………)
額に張り付く髪を振り払い、マントの端を引き寄せ、無我夢中に走り続ける。
『―――貴方様のお祖父さまである前デイファレト王は、それはそれは素晴らしい御方で…』
『―――稀に見ない優れた御方。王の中の王で御座いました』
『ユノ様もお祖父さまに並ぶに値する、立派な方に…』
『少しでも並べる様に…』
底知れない闇の向こうに、真っ白な閃光が顔を覗かせた。
歪な円を縁取った光は、徐々に大きくなり…。


