「………不愉快だよ………実に…!………どうして僕は……僕だけこんな目に合わないと……!………皆……皆………いなくなればいいのに…!」
「………」
「僕だけでいい!………僕はこの国の王だ!………王だけいればいいんだ…!」
「………っ」
………次第に興奮が高まり、誰に当たる訳でも無く喚き散らす様になってきたユノ。
何処か痛々しい少年に声を掛けたくとも、レトは何も言えない。
彼の名前を、呼んであげられない。
………何故?
………………だって……何故かって……。
―――信頼されるのが、怖いから。
親しくなればなるほど、素直になればなるほど。
………こんな自分が、一人の人間に深く関わってはいけない。
僕なんかが、彼の中に踏み込んではいけないんだ。
………こんな…汚れた僕なんかが。
僕は、汚れているから。
汚い…から。
「………ごめん……でも僕は………」
「……うるさい!!」
近付くな、とでも言うかの様に、正面のレトに向かって片手を振った。
―――途端。
………大きく揺れる青い髪の隙間から覗くユノの瞳が……。
………赤く、揺らめいた。


