亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~




「………不愉快だよ………実に…!………どうして僕は……僕だけこんな目に合わないと……!………皆……皆………いなくなればいいのに…!」

「………」

「僕だけでいい!………僕はこの国の王だ!………王だけいればいいんだ…!」

「………っ」





………次第に興奮が高まり、誰に当たる訳でも無く喚き散らす様になってきたユノ。

何処か痛々しい少年に声を掛けたくとも、レトは何も言えない。

彼の名前を、呼んであげられない。




………何故?

………………だって……何故かって……。





















―――信頼されるのが、怖いから。






親しくなればなるほど、素直になればなるほど。


………こんな自分が、一人の人間に深く関わってはいけない。

僕なんかが、彼の中に踏み込んではいけないんだ。







………こんな…汚れた僕なんかが。


僕は、汚れているから。

汚い…から。














「………ごめん……でも僕は………」















「……うるさい!!」

近付くな、とでも言うかの様に、正面のレトに向かって片手を振った。















―――途端。















………大きく揺れる青い髪の隙間から覗くユノの瞳が……。



















………赤く、揺らめいた。