亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~




………暗く、落ち込んでいくレトの姿を見詰めながら………ユノは、更に増していく苛立ちを感じていた。


佇むレトの肩を乱暴に押しやり、興奮が覚めないまま、震える声で怒鳴り散らした。









「…………そうだよ。………所詮は金で動く狩人……。………僕は依頼人、君らは仕事人……約束された賃金の分だけ動く……生きる事に精一杯な連中さ…。………………………………そんなものだろう?………君も」


「………」






違う。

違うんだ。


………そう言いたいのに………言葉は出て来てくれない。








生きる事に、精一杯。

皆……僕らは…必死なんだ。





たった一度の生涯を、生きるために生きている。




生きる事以外、盲目なんだ。






















だけど。




だけど、僕は。






























「………皆、仮面を被っている。………僕の周りはそんな人間ばかりだ…!……本当の顔を見せてくれない!隠してる!何処を見渡しても、信用出来ない無口な仮面ばかりだ!………皆、そうだ!いつだって…!」

「………僕は……」

「……君もそうだ!……君も仮面を被っているんだよ?………無意識なのかい?……………思い出してごらんよ…………君は………………僕の名前を呼んでくれた事が……あったかい…?」







………一歩ずつ後退していくユノ。


……唖然と、目を見開いて………レトは佇んでいた。