王族が生まれた時、どの魔の者がつくかが決まる。どういう基準で決まるのかは謎なのだが、湧いて出て来る様に突然現れるのだ。
王族自身は、どの魔の者が良いかなど決められない。
勿論、王族のアイラにも魔の者はついている。
城の外に出る際は、必ずついて来る。何処に行く時も常に一緒。それは当たり前なのだが…。
「……リイザは、魔の者が鬱陶しくて仕方無い様だな。空気同然なんだが……。……………鬱憤晴らしの道具か、玩具としか見ていない……」
「その玩具であるログ様も、お可哀相なことで。アッハッハッハッ!」
………全然可哀相に思っていない。
アイラは苦笑を浮かべ、ケインツェルに背を向けた。
「……まあいい。…無理に聞き出そうとまでは思っていないよ。何があるのか知らないが、せいぜい心行くまで楽しむが良いさ…」
そう言ってアイラは廊下の奥へと歩み始めた。普通ならその時点で会話は終了。しかしそこを、何故かケインツェルは素早く呼び止めた。
「…おおっと、王子、その件で一つ申し上げたい事が…」
「………名前でいい。王子は止めろ。…この城には王子は二人いるんだ。………何だい?わざわざ呼び止めて……」
アイラは本の少しムッとした様に眉をひそめたが、相変わらずその凛々しさは変わらない。
ケインツェルは恭しく頭を低くして、紳士らしく振る舞った。
「………私から聞き出さなくとも………直ぐに、貴方様の魔の者にお話が伝わると思いますので…待っていればおのずと分かりますでしょう……」
王族自身は、どの魔の者が良いかなど決められない。
勿論、王族のアイラにも魔の者はついている。
城の外に出る際は、必ずついて来る。何処に行く時も常に一緒。それは当たり前なのだが…。
「……リイザは、魔の者が鬱陶しくて仕方無い様だな。空気同然なんだが……。……………鬱憤晴らしの道具か、玩具としか見ていない……」
「その玩具であるログ様も、お可哀相なことで。アッハッハッハッ!」
………全然可哀相に思っていない。
アイラは苦笑を浮かべ、ケインツェルに背を向けた。
「……まあいい。…無理に聞き出そうとまでは思っていないよ。何があるのか知らないが、せいぜい心行くまで楽しむが良いさ…」
そう言ってアイラは廊下の奥へと歩み始めた。普通ならその時点で会話は終了。しかしそこを、何故かケインツェルは素早く呼び止めた。
「…おおっと、王子、その件で一つ申し上げたい事が…」
「………名前でいい。王子は止めろ。…この城には王子は二人いるんだ。………何だい?わざわざ呼び止めて……」
アイラは本の少しムッとした様に眉をひそめたが、相変わらずその凛々しさは変わらない。
ケインツェルは恭しく頭を低くして、紳士らしく振る舞った。
「………私から聞き出さなくとも………直ぐに、貴方様の魔の者にお話が伝わると思いますので…待っていればおのずと分かりますでしょう……」


