本の少し前まで、レトとユノの会話を聞きながら苦笑していたサリッサ。
ちゃんと後ろについて来ていた筈なのに。
……この道は脇道など無い一方通行。はぐれるなど有り得ない。
………少し早く歩きすぎたか?
踵を返して、元来た道を戻ろうとした。
……が、そんなレトの手を、繋がれたユノの手が逆に引っ張る。
「……先を急ぐのだろう。…どうして戻るんだい……?」
知ってか知らずか、ユノはサリッサの事など元から頭に無い様で、キョトンとしている。
「…………だってあの人…………………君の……お母さんが……」
「………………お母様が…?」
ようやく、姿の見えない母の事に気付いたらしい。
しかしユノは眉をひそめ、捜しに行くどころか、そのまま先へ進もうとした。
グイッと強引に手を引っ張られるレト。
おろおろと戸惑いながら、レトはユノを止めようと懸命に引き戻した。
「………待って…。…………駄目、だよ………捜さないと……」
「……何を?」
「………だから………君の…お母さんを……」
「…どうして?」
「………………どうして……って………だって……」
………何を言っても、彼は先に進もうとする。
レトから顔を背けたまま、頑として話を聞いてはくれない。
………怒っている?………苛立っている?
………何故?
何故ユノは………サリッサの事を前にすると…………こんな……。
「…………だって…いないんだよ…?………………お母さん………なんだよ……?」
繋いだ手の、妙な引っ張り合いをしている最中、ランプの薄明かりで、背後から別の人影が浮かび上がった。
ちゃんと後ろについて来ていた筈なのに。
……この道は脇道など無い一方通行。はぐれるなど有り得ない。
………少し早く歩きすぎたか?
踵を返して、元来た道を戻ろうとした。
……が、そんなレトの手を、繋がれたユノの手が逆に引っ張る。
「……先を急ぐのだろう。…どうして戻るんだい……?」
知ってか知らずか、ユノはサリッサの事など元から頭に無い様で、キョトンとしている。
「…………だってあの人…………………君の……お母さんが……」
「………………お母様が…?」
ようやく、姿の見えない母の事に気付いたらしい。
しかしユノは眉をひそめ、捜しに行くどころか、そのまま先へ進もうとした。
グイッと強引に手を引っ張られるレト。
おろおろと戸惑いながら、レトはユノを止めようと懸命に引き戻した。
「………待って…。…………駄目、だよ………捜さないと……」
「……何を?」
「………だから………君の…お母さんを……」
「…どうして?」
「………………どうして……って………だって……」
………何を言っても、彼は先に進もうとする。
レトから顔を背けたまま、頑として話を聞いてはくれない。
………怒っている?………苛立っている?
………何故?
何故ユノは………サリッサの事を前にすると…………こんな……。
「…………だって…いないんだよ…?………………お母さん………なんだよ……?」
繋いだ手の、妙な引っ張り合いをしている最中、ランプの薄明かりで、背後から別の人影が浮かび上がった。


