飛び付いて来たルウナは寝間着ではなくちゃんと着替えていて、世話係りの召使の手をまた擦り抜けて来た様だった。
城内からルウナを呼ぶ声が慌ただしく聞こえる。
「………今日は早起きだな、ルウナ…」
小さく柔らかな髪を撫でると、埋めていた顔を上げ、ニパッと満面の笑みを見せてくれた。
「母上の御見送りの日だかりゃ―!」
「……誰か教えたのか…?」
……ローアンがデイファレトに行く件は知っていたが、いつ発つのかは一言も言っていなかった筈だ。
ちらりとアレクセイ達に目をやるが……皆、首を左右に振るばかり。
「隠したって駄目だよ―!僕、何でも分かりゅもん!妖精さんが教えてくれるもん!!」
そう言ってまた、ルウナはギュッと抱き付いてきた。
…ローアンは苦笑しながら屈み、我が子の小さな背中に腕を回した。
「………ちゃんと良い子にしているんですよ………こら…動けないでしょうが…」
よしよしと撫でてあげると同時に、ルウナはローアンの胸に顔を埋めた。まるで放すまいとしているかの様に、ギュッと小さな拳で衣服を掴む。
「………ルウナ?」
……抱き付いたまま微動だにしないルウナを不思議に思い、耳元で囁くと…。
「…………………今より良い子になるから……………早く帰って来て……」
「………」
アレクセイやダリル達にも聞こえないくらいの小さな声で、親子は囁き合った。
「………寂しい?」
「………寂しくないよ。……ルアもアレクセイも…皆いるから。…………でも、早く帰って来て」
「……うん」
「…白いお花畑でお祈りしてるから…」
城内からルウナを呼ぶ声が慌ただしく聞こえる。
「………今日は早起きだな、ルウナ…」
小さく柔らかな髪を撫でると、埋めていた顔を上げ、ニパッと満面の笑みを見せてくれた。
「母上の御見送りの日だかりゃ―!」
「……誰か教えたのか…?」
……ローアンがデイファレトに行く件は知っていたが、いつ発つのかは一言も言っていなかった筈だ。
ちらりとアレクセイ達に目をやるが……皆、首を左右に振るばかり。
「隠したって駄目だよ―!僕、何でも分かりゅもん!妖精さんが教えてくれるもん!!」
そう言ってまた、ルウナはギュッと抱き付いてきた。
…ローアンは苦笑しながら屈み、我が子の小さな背中に腕を回した。
「………ちゃんと良い子にしているんですよ………こら…動けないでしょうが…」
よしよしと撫でてあげると同時に、ルウナはローアンの胸に顔を埋めた。まるで放すまいとしているかの様に、ギュッと小さな拳で衣服を掴む。
「………ルウナ?」
……抱き付いたまま微動だにしないルウナを不思議に思い、耳元で囁くと…。
「…………………今より良い子になるから……………早く帰って来て……」
「………」
アレクセイやダリル達にも聞こえないくらいの小さな声で、親子は囁き合った。
「………寂しい?」
「………寂しくないよ。……ルアもアレクセイも…皆いるから。…………でも、早く帰って来て」
「……うん」
「…白いお花畑でお祈りしてるから…」


