「嘘をほざくな、未成年者」
……突如二人に割って入ってきたのは、溜め息混じりの男の声。
二人が声の主に振り返ると……そこには、長身の若い男が一人。
短い黒髪に、切れ長の透き通る紫の瞳。なかなかの美男子だが………。
………何だか、呆れた様な表情でこちらを見ていた。
商人の男は怪訝な表情で女に視線を映す。
「………未成年者?」
その疑問系の言葉に、若い男はサラリと答えた。
「………そいつ、13だよ…」
…………13?
…………13……。
「―――ええっ…!?」
思わず後退りする商人の男。
信じられない!!こんな見た目大人なこの女が………まだ本の13歳!?
…当然ながら絶句する商人を見ながら、女は不機嫌な顔で若い男を一瞥した。
「………せっかく面白かったのに………………リスト、あんたちょっとは乗りなさいよ!」
「…何に乗るんだよ、何に…。……イブ、お前あわよくば酒飲もうとか企んでただろ!!未成年者が飲むな!馬鹿が!!」
クワッ!、と怒りの形相を露わにするリスト。しかし、イブは全く動じない。
「一口くらい良いじゃ―ん」
「駄目だ!お前が酒なんか飲んだらどうなるか分からない!!立場上、俺達はなるべく静かに動かなけりゃならないんだぞ!!お前は誰某構わず殴ったり噛み付いたりしそうだから……」
「―――…あ、あんたら……どういう関係?……………てっきり…恋仲かと……」


