二人の商人は溜め息混じりに酒を口に含んだ。
「………………おかしいと言えば、あれだ。………『嵐』が頻繁に発生してるって話だ………多い時には三日に一回。………不用心な狩人や商人が、結構死んでるらしいぜ…」
「………異常気象まで起こると………何だか何か悪い事の前触れみたいだな…」
「よせよせ…縁起でもない………」
テーブルの真ん中にある、獣の肉を干ぼしにした…まるで木の皮の様な薄っぺらいものを指先で摘み、開けた口に放り込もうとした。
しかし。
―――ドンッ…。
突如店中に響き渡った大きな揺れと音。
一瞬だけ浮いたテーブルから、料理を載せた皿が滑り落ちた。
………放り込もうとした肉の切れ端も、今ので床に落ちてしまった。
「…………何だ…?……地震か?」
「こんなに短い地震があるかよ。……………………あ?……まだ揺れてるな……………………………??…………止まった………」
治まったかと思いきや、細かい揺れが続き、ドンッ、ドンッ……とリズミカルに揺れ……………。
「…………おい………あれ…」
向かいの男が指差す方は、店の最奥。
薄暗く、二人しか腰掛けられない小さなテーブルがある隅の方だが………。
………そこに………………。
………椅子に座り、テーブルに両腕を投げ出して………片手の握り拳で、テーブルを叩く、明らかに不審な人間が独り。
どうやらこの振動は、あの人物によるものらしい。
テーブルに力無く俯せになった顔は見えないが………あれは…。
「………………おかしいと言えば、あれだ。………『嵐』が頻繁に発生してるって話だ………多い時には三日に一回。………不用心な狩人や商人が、結構死んでるらしいぜ…」
「………異常気象まで起こると………何だか何か悪い事の前触れみたいだな…」
「よせよせ…縁起でもない………」
テーブルの真ん中にある、獣の肉を干ぼしにした…まるで木の皮の様な薄っぺらいものを指先で摘み、開けた口に放り込もうとした。
しかし。
―――ドンッ…。
突如店中に響き渡った大きな揺れと音。
一瞬だけ浮いたテーブルから、料理を載せた皿が滑り落ちた。
………放り込もうとした肉の切れ端も、今ので床に落ちてしまった。
「…………何だ…?……地震か?」
「こんなに短い地震があるかよ。……………………あ?……まだ揺れてるな……………………………??…………止まった………」
治まったかと思いきや、細かい揺れが続き、ドンッ、ドンッ……とリズミカルに揺れ……………。
「…………おい………あれ…」
向かいの男が指差す方は、店の最奥。
薄暗く、二人しか腰掛けられない小さなテーブルがある隅の方だが………。
………そこに………………。
………椅子に座り、テーブルに両腕を投げ出して………片手の握り拳で、テーブルを叩く、明らかに不審な人間が独り。
どうやらこの振動は、あの人物によるものらしい。
テーブルに力無く俯せになった顔は見えないが………あれは…。


