直撃は回避出来たものの、肝心の足場を崩された。
すぐ目の前に現れた氷の巨大な斧は、レトが立っていた太い氷柱を豪快に粉砕した。
「…うぁっ…!?」
目下の地上まで、だいぶ高さがある。受け身程度で衝撃を和らげるには高すぎた。
崩れる足場に伴い、重力に従って身体は落下し始める。
考えるより先に、レトは背中の剣を抜いていた。所持していた剣の中でも一番頑丈なその剣を振るい、次々と傍らを通過していく氷柱に向かって突き立てた。
落下が止まってくれることを祈るが、刃は厚い氷をガリガリと削るばかりで止まってくれない。
緩やかな速度でそのまま落下を続けていたレトを、地上から見上げる赤い眼差しが…一つ。
それまでぼんやりと何をする訳でも無く佇んでいたユノが、唐突に首を曲げてレトの姿を捉えた。
同様に、ユノの視線に気付いたレトと視線が交わった直後…半開きだったユノの乾いた唇が、不気味な微笑に似た孤を描き…。
「―――…て、き。……敵、敵…てき敵敵てき敵敵敵敵敵敵てき敵っ…敵……てきっ…アハハハハハハハハ!!」
身の毛もよだつ様な、狂想曲が鳴り響いた。
…途端、その甲高い叫び声に呼応して、地上から何本もの不気味な氷の腕が湧出し、物凄い速さでレト目掛けて氷柱を這い上がっていった。
肘から上だけの腕の群れが、爪を立てながら登ってくる様は、恐怖以外の何物でもなかった。
迫り来る怪奇に、身体は本能的に逃げの体勢に入っていた。
気が付いた時には、あの腕から少しでも離れたいがためにいつの間にか剣を氷柱から抜き、真っ逆さまに落ちていた。
落下の衝撃に備え、受け身を取るレトの視界に…こちらに向かって飛来する銀色の光の筋が走った。
何だあれは…?と目を丸くするのも束の間。
…次の瞬間にレトの背中を迎えたのは、冷たく固い地面ではなく、弾力と温かみのある謎の感触だった。
「―――…アルバス…!?」
レトが落ちた先は、少々固めの羽毛に塗れた巨大なアルバスの背中だった。
次いで襲ってきた風圧に流されまいと、レトは咄嗟にアルバスの背中にしがみつく。
すぐ目の前に現れた氷の巨大な斧は、レトが立っていた太い氷柱を豪快に粉砕した。
「…うぁっ…!?」
目下の地上まで、だいぶ高さがある。受け身程度で衝撃を和らげるには高すぎた。
崩れる足場に伴い、重力に従って身体は落下し始める。
考えるより先に、レトは背中の剣を抜いていた。所持していた剣の中でも一番頑丈なその剣を振るい、次々と傍らを通過していく氷柱に向かって突き立てた。
落下が止まってくれることを祈るが、刃は厚い氷をガリガリと削るばかりで止まってくれない。
緩やかな速度でそのまま落下を続けていたレトを、地上から見上げる赤い眼差しが…一つ。
それまでぼんやりと何をする訳でも無く佇んでいたユノが、唐突に首を曲げてレトの姿を捉えた。
同様に、ユノの視線に気付いたレトと視線が交わった直後…半開きだったユノの乾いた唇が、不気味な微笑に似た孤を描き…。
「―――…て、き。……敵、敵…てき敵敵てき敵敵敵敵敵敵てき敵っ…敵……てきっ…アハハハハハハハハ!!」
身の毛もよだつ様な、狂想曲が鳴り響いた。
…途端、その甲高い叫び声に呼応して、地上から何本もの不気味な氷の腕が湧出し、物凄い速さでレト目掛けて氷柱を這い上がっていった。
肘から上だけの腕の群れが、爪を立てながら登ってくる様は、恐怖以外の何物でもなかった。
迫り来る怪奇に、身体は本能的に逃げの体勢に入っていた。
気が付いた時には、あの腕から少しでも離れたいがためにいつの間にか剣を氷柱から抜き、真っ逆さまに落ちていた。
落下の衝撃に備え、受け身を取るレトの視界に…こちらに向かって飛来する銀色の光の筋が走った。
何だあれは…?と目を丸くするのも束の間。
…次の瞬間にレトの背中を迎えたのは、冷たく固い地面ではなく、弾力と温かみのある謎の感触だった。
「―――…アルバス…!?」
レトが落ちた先は、少々固めの羽毛に塗れた巨大なアルバスの背中だった。
次いで襲ってきた風圧に流されまいと、レトは咄嗟にアルバスの背中にしがみつく。


