亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



大体雪を払い終えると、ユノはレトから少し離れてにこにこと微笑み…………………雪の塊を、構えた。

「雪合戦しよう!今度はちゃんと避けなよ」

…唐突な発言に、レトはパチパチと瞬きをした。

「………雪……合戦…?」

「…雪合戦を知らないのかい?雪を投げ合う攻防戦だよ。………こんなの!」

言い終えると同時に、ユノは片手に持っていた雪を投げ付けてきた。
レトは顔には出していないが半ば困惑しながらも、とりあえず避けた。


ユノはしゃがんでは次々と雪を投げてくる。

「避けてばかりじゃつまらないよ。ほら、投げて。……こういうの、やった事無いのかい?」

投げながらユノは訊いてきた。レトもおずおずと遠慮がちに、ポーンと一つ投げてみる。

………それは森林の向こうに消えた。

……こんな風に雪を投げ合うなんて……やった事が無い。レトは首を傾げる。

「………狩りをする時………時々、する。…………中に石を入れて、脳天に当てるんだ…」

「………………それ、僕にはやらないでね…」

「………うん」






レト自身、これの何処が楽しいのかいまいちよく分からなかったが、向かいのユノはとても楽しそうに笑っていた。


………自分とは似ても似つかぬ、正反対な、無邪気で明るい少年。
………どうしてそんなに笑えるのか…分からないけれど…。



彼の笑顔を見ていると、何だか………………少し嬉しくなった。

















「―――…君達親子が、新しい僕の護衛?狩人なんだろう?」


二人は雪合戦を続けながら会話をしていた。
……その殆どは、ユノの一方的な質問だったが。


………王子様とこんな風に話しても良いのかな?