キリキリキリ…と断続的に耳障りな音色が何処からともなく響き渡る。
豹変していく周りの空間に目を走らせながら、レトは剣を構え、ローアンは神経を研ぎ澄ませていた。
大広間に並んでいた柱が視界の端から端にゆっくりと流れ、大きく孤を描いていく。
奇天烈な光景を前に、レトは何とも形容しがたい気持ちの悪さを感じていた。
そしてその予感は、すぐに当たった。
繰り返しだ。そうだ、今はまだ………終わりの見えない鬼ごっこの中にいるのだから。
「ここにいたの、レト」
横たわる螺旋状の世界の奥から、鬼ごっこの鬼の声が聞こえた。
鼓膜を叩いた声の方向に振り返れば………闇の中に、不気味な青白い輝きが一つ…孤立していた。
足元や頭上、至る所にたくさんの奇怪な魔法陣を浮遊させたシルエット。
強すぎる光に包まれたその姿は一見、それが人の形であるのかさえ分からないが…レトには一目で分かる。
「………ユ、ノ…」
ポツリとその名を呼べば、青白い光の中で彼の口許が緩やかな孤を描いたのが見えた。
不気味なくらいに綺麗なその笑顔が、笑顔ではないことくらい分かっている。
「…何処に消えたのかなって思ってたら…こんな遠くにまで逃げてたのかい…?………あんまり歩かせないでって言ったじゃないか…。………ああ、でも今はね、不思議と全然疲れてないんだ。……本当、変なの…」
暴発し続ける白の魔力の影響は、外界はおろか…遂には術者であるユノ自身にも及んでいる様だった。
溢れ出る魔力が浸透仕切った身体は、疲労や痛みなどの感覚が鈍くなる麻痺状態に陥り、更には彼の意識も酷く情緒不安定で、全てが混濁している。
目は虚ろで、口元は始終何かを呟いているが聞き取る事は出来ない。
…だが、曇り硝子の如き虚ろな赤い瞳は、しっかりとレトを捉えて外さなかった。
ユノの、レトへの異常な執着心の大きさが伺える。
「…でも……凄く寒いんだ……身体が冷たいみたいで………いつの間にか息も白くなくなってたんだ…。………変だよね」
豹変していく周りの空間に目を走らせながら、レトは剣を構え、ローアンは神経を研ぎ澄ませていた。
大広間に並んでいた柱が視界の端から端にゆっくりと流れ、大きく孤を描いていく。
奇天烈な光景を前に、レトは何とも形容しがたい気持ちの悪さを感じていた。
そしてその予感は、すぐに当たった。
繰り返しだ。そうだ、今はまだ………終わりの見えない鬼ごっこの中にいるのだから。
「ここにいたの、レト」
横たわる螺旋状の世界の奥から、鬼ごっこの鬼の声が聞こえた。
鼓膜を叩いた声の方向に振り返れば………闇の中に、不気味な青白い輝きが一つ…孤立していた。
足元や頭上、至る所にたくさんの奇怪な魔法陣を浮遊させたシルエット。
強すぎる光に包まれたその姿は一見、それが人の形であるのかさえ分からないが…レトには一目で分かる。
「………ユ、ノ…」
ポツリとその名を呼べば、青白い光の中で彼の口許が緩やかな孤を描いたのが見えた。
不気味なくらいに綺麗なその笑顔が、笑顔ではないことくらい分かっている。
「…何処に消えたのかなって思ってたら…こんな遠くにまで逃げてたのかい…?………あんまり歩かせないでって言ったじゃないか…。………ああ、でも今はね、不思議と全然疲れてないんだ。……本当、変なの…」
暴発し続ける白の魔力の影響は、外界はおろか…遂には術者であるユノ自身にも及んでいる様だった。
溢れ出る魔力が浸透仕切った身体は、疲労や痛みなどの感覚が鈍くなる麻痺状態に陥り、更には彼の意識も酷く情緒不安定で、全てが混濁している。
目は虚ろで、口元は始終何かを呟いているが聞き取る事は出来ない。
…だが、曇り硝子の如き虚ろな赤い瞳は、しっかりとレトを捉えて外さなかった。
ユノの、レトへの異常な執着心の大きさが伺える。
「…でも……凄く寒いんだ……身体が冷たいみたいで………いつの間にか息も白くなくなってたんだ…。………変だよね」


