何処か冷めきったその眼差しには、覚えがある。
…狩人の掟だから。
それが先人達から受け継がれてきた習いだから。
それが、狩人だから。
………そうだ、あれは…少し前の自分に似ているのだ。
殺られる前に、殺る。
相手が殺意を向けてくるから、だから躊躇い無く人をたくさん殺した。子供も大人も老人も。
以前…同じ狩人の女の子を殺して、ユノに悲しい顔をさせてしまった事があった。
あの時はどうしてユノが僕を止めようとしたのか、僕を責めたのか分からなかったけれど。
今は、違う。
殺さないといけないと言われても、僕は、嫌だ。
ユノが、彼が、教えてくれたのだ。
僕は、人殺しの狩人で。
狩人だけれど、一人では何も出来ないただの人間で。
皆と同じ様に呼吸をして、朝と夜を迎えて、この広い世界を眺めて、ただただ一生懸命に、生きて。
皆、生きている。僕も、生きている。生きたくて、生きているんだ。僕は、そんな同じ重さの命を狩っていたのだ。
ユノは、そんな事も分からなかったどうしようもない僕を。
僕を、友達だと言ってくれて。
「―――それは私が、王だからだ。……お前にはまだ分からないだろう、小僧」
威圧感のある鋭い声音がレトの鼓膜を揺らしたと同時に、革手袋の片手が不意に伸びてきた。
細い手はそのままレトの剣を食い込まない程度で緩く掴む。
…何故だかその手に傷を付けてはいけない気がして…押すことも引くことも出来ずにレトは硬直してしまった。
青い綺麗な瞳が、ただ真っ直ぐ…揺らめくレトを射抜いていた。
どちらも互いに視線を外さない、緊張の糸が張り詰めた奇妙なこの空間。
ゆっくりと、刻み込む様に…ローアンは重々しく言葉を紡いだ。
「―――王というものは、情を持った一個人ではない。人であってはならない。……分かるか、小僧……………王とは、国なのだ。国そのものだ。………人間ではなく、国として、動かなければならないのだ。………そうでなければ、国をおさめる事は出来ない。………………人であるお前には、私を止められないぞ」
…狩人の掟だから。
それが先人達から受け継がれてきた習いだから。
それが、狩人だから。
………そうだ、あれは…少し前の自分に似ているのだ。
殺られる前に、殺る。
相手が殺意を向けてくるから、だから躊躇い無く人をたくさん殺した。子供も大人も老人も。
以前…同じ狩人の女の子を殺して、ユノに悲しい顔をさせてしまった事があった。
あの時はどうしてユノが僕を止めようとしたのか、僕を責めたのか分からなかったけれど。
今は、違う。
殺さないといけないと言われても、僕は、嫌だ。
ユノが、彼が、教えてくれたのだ。
僕は、人殺しの狩人で。
狩人だけれど、一人では何も出来ないただの人間で。
皆と同じ様に呼吸をして、朝と夜を迎えて、この広い世界を眺めて、ただただ一生懸命に、生きて。
皆、生きている。僕も、生きている。生きたくて、生きているんだ。僕は、そんな同じ重さの命を狩っていたのだ。
ユノは、そんな事も分からなかったどうしようもない僕を。
僕を、友達だと言ってくれて。
「―――それは私が、王だからだ。……お前にはまだ分からないだろう、小僧」
威圧感のある鋭い声音がレトの鼓膜を揺らしたと同時に、革手袋の片手が不意に伸びてきた。
細い手はそのままレトの剣を食い込まない程度で緩く掴む。
…何故だかその手に傷を付けてはいけない気がして…押すことも引くことも出来ずにレトは硬直してしまった。
青い綺麗な瞳が、ただ真っ直ぐ…揺らめくレトを射抜いていた。
どちらも互いに視線を外さない、緊張の糸が張り詰めた奇妙なこの空間。
ゆっくりと、刻み込む様に…ローアンは重々しく言葉を紡いだ。
「―――王というものは、情を持った一個人ではない。人であってはならない。……分かるか、小僧……………王とは、国なのだ。国そのものだ。………人間ではなく、国として、動かなければならないのだ。………そうでなければ、国をおさめる事は出来ない。………………人であるお前には、私を止められないぞ」


