「………」
………洞窟の外から漏れ出る朝日が眩しい。
こんな朝は、降り積もった雪が足を滑らせて落ちる音や、獣の遠吠え、鳥の囁きなんかで穏やかな目覚めを満喫出来る。
………筈だったのに。
あっという間に吹き飛んだ眠気の代わりに訪れたのは………何故か、冷たさ。
「………?」
―――冷たい。
………冷たい?
ぼんやりと開けた目に映ったのは、朝日と、洞窟の景色と……………………………雪。
長い睫毛に、頭に、肩に……たっぷりと積もった少量の雪。
………??
…………ここは雪を避けるために入った洞窟の中。
外ではない。
では………何故……今自分は雪を被って…。
冷たい雪を払おうともせず、レトは微動だにしないまま無言で考えていた。
―――その、直後。
「―――あ、こいつ起きた」
甲高い、元気な幼い声と共に………目の前に、見慣れない少年の顔が脇から飛び込んできた。
突如現れ、視界いっぱいに映る少年。
色白で、真ん中で分けた青く長い髪。可愛らしい顔立ちの、まるで人形の様な少年が、満面の笑みで………正面にいる。
「―――」
レトは、固まった。
少年は面白そうにレトを眺めていたが、反応も無ければ一向に動かないレトに痺れを切らしたのか、その端整な顔を不服そうな表情に変える。
「………つまらないな。…反応の一つや二つ、見せてくれたって良いじゃないか…興醒め」


