亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



「目立たぬ様にせねばならない。………トゥラと………ジンを護衛につける。アレクセイ、ジンを呼んで来い。地下で訓練をしている筈だ」




……ジン、と聞き………アレクセイは、固まった。

「………あの………………ジンを連れて行かれるのですか………?………あれは……その……色々と問題が…」

「あれ一人で護衛は充分な程だろ。いいから連れて来い」


次第に小さくなっていく女王とダリルの背中を眺めながら、アレクセイはダラダラと冷や汗をかく。

伸ばそうにも伸ばせない骨張った腕を上げたり下げたり。



「………ロ……ローアンさ…」

「アレクセイ」


後ろ姿が見えなくなるのと同時に、主の名を呼ぼうとした途端……。




………下方から、幼い声が自分を呼んだ。





見下ろすと、いつの間にかルアから離れ、足元に立っているルウナ。

………何だか、無邪気さの欠片も無い、らしくない真剣な顔でこちらを見上げる少年。

さっきまでの天真爛漫な態度とは打って変わったその豹変さに、一瞬ビクリとしたが……………。



………鋭さを秘めたオッドアイは、すぐににっこりと可愛らしく微笑んだ。

















「……母上に何言っても聞かないよ―、アレアレ」























「………」
























アレクセイは力無く、肩を落とした。