亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~

しかし、そんな恐ろしい彼女を真正面にして、ルウナは笑顔のまま元気良く答えた。

「はーい!!言いつけは守りまっしゅ!!」

「うん、良い子ね。だがその台詞、母上は聞き飽きました」

「はーい!!僕も言い飽きました!!」







ピシッと真直ぐに挙手しながら元気良く言うルウナ。
「次やったら怒るよ?」とだけ言ってローアンは手を離すと、ルウナはそのまま胸に飛び込んできた。


ローアンはルウナを抱き上げ、その柔らかい髪を撫でた。


「………いやぁ…この御方は大物になりますぞ…。なにせ、ローアン様の脅しに近いお叱りにも、全く動じないのですから…」

ローアンの顔にペタペタと触れて笑うルウナを見ながら、アレクセイは感心していた。



「…私がいない間、ルウナに何か変わった事は無かったか?」

「一昨日、絵本を卒業しました。つい昨日、古代文字の古文書がお気に入りになったみたいです。………陛下、何なんですかその子。勉学に関しては、何でもすぐ吸収してしまう………それが2歳の子供って…結構怖いんですけど」

ルウナの勉強の家庭教師をも務めるダリルは、半ば呆れた様に言った。