開門と同時に、警備についていた兵士達が道の両端にズラリと並んで出迎えてくれた。
「―――無事の御帰還、何よりで御座います」
「――陛下、よく御無事で」
「―――長旅で、さぞやお疲れで御座いましょう」
「―――御怪我などは…」
普通ならこういう時、出迎える兵士達は敬礼したまま、主に話掛けたりなどしない。
身分をわきまえた態度をとらねばならないが………ここは違う。
兵士達は皆敬礼はしながらも、親しげな笑みを浮かべてローアンの帰りを心から喜んでくれていた。
………ローアンが王として、如何に信頼されているかが窺える。
中には若い兵士もいて、通り過ぎる際に気軽に話掛けてくる。
「陛下!!今度お暇な時に剣の稽古をつけて下さ………痛っ…!?」
「………羽目を外すんじゃありません…」
…その辺は、厳しいアレクセイが軽く一喝する。若い兵士は脳天にアレクセイの拳骨を食らい、ややよろめいた。
………そんな兵士達に笑みだけを返して、ローアンは前に向き直る。
その先にある、城へと続く長い階段を一定のペースで上りながら………ローアンはまだ不機嫌な様子でマントを脱いだ。
真後ろのアレクセイが、黙ってマントを受け取る。
「―――………よーし………やっと城にまで着いたな……………………………このストレスを解消したくて堪らないな…」
肩を回し、首を回し………ローアンはまるで今から戦闘準備に入る戦士の様に、コキコキと指を鳴らした。
アレクセイは微笑を浮かべて「私もです」と呟いた。


