私に殺されそうになった事を、知っていながら。
この子は、それでも尚………ずっと。
「………………『父さん』…と…………………呼んで、くれ、るのか………?………………お前…は………」
「………と……父さんはっ………父さん、だもんっ…。………父さんは…僕、のっ……父さんだもんっ…!…僕の…父さんは、父さんだけ………だもんっ………!……ねぇ、父さん……………ぼ…僕………父さんと、母さんの子…だよね………?………父さんって…呼んでも良いでしょう…?………………………父さん…」
私の胸に顔を埋めて、小さい幼子の様にわんわんと号泣する、息子の声が聞こえる。
ああ、全く。
いつになったら、この泣き虫は無くなるのだろうか。
本当に、誰に似たのだろうか。男の子なのだから。一人前の狩人なのだから。
私の子なのだから。
もう、泣くな。
泣くんじゃない。
泣くな。
…ああ、そうか。
もしかすると、こういうところは…彼女に…アシュに似たのかもしれない。
……やはり、私と彼女の子なのだな。
外見はどちらかといえば彼女に似ているから、大きくなれば、私と違ってさぞや綺麗になるに違いないだろう。
その頃にはもう、泣き虫は治っているだろうか。
今以上に、強くなっているだろうか。
見たかったな。
見ていきたかったな。
これから先も、ずっと。
ずっと。
この子と共に、歩んでいきたかったな。
もっと、旅がしたかったな。
もっと。
もっと。
お前、と。
一緒に。


