……この二、三日足らずで、抱く女の数が増えた気がする。



用が済んだら、抱いた女にあらかじめ口止めをしておいて、人気の無い廊下に……ポイ。

………そんな事が繰り返し繰り返し行われている。











………まるでアイラは、何かを補うかの様に、この意味の無い行為を続ける。






足りない何かを埋める様に。


















………気を失った女を放置し、アイラは無言で下半身だけ服を着て、煙が上る煙管を咥えてベッドの端に腰掛けた。



………吹き抜けの窓から覗く真っ暗な夜空には、数え切れないくらいの星が瞬いていた。
アイラは煙を吐きながら、無表情で星空を眺める。












「………アイラ様……楽しいですか…?」

溜め息混じりに言うと、アイラはこちらを向かずにボソリと呟いた。








「―――…退屈だよ………本当に…」

















……この方は……、と呆れてカイは肩を竦めた。


「………………神声塔であった事……身内にも極秘の様ですが………如何致しますか?」

「………ああ…しっかり探っておけ。………………どうせ…リイザもログに調べさせるだろうしね」

「………分かりました」


カイは深く頭を下げ、腰を上げた。

アイラは星を眺めながら、うんと背伸びをした。

「……なあ…カイ」

「………何ですか。あの女の始末なら御免被りますよ。面倒なんですよね……わーわー泣きじゃくって…」


ぼそぼそと悪態を吐き始めたカイをよそに、アイラは夜空を指差した。















「…………………星は、美しいな…………………とても、高貴だ」